コラム「カンセリングについて」
”ボイスサンプル”。
声の仕事をするならこれが無くてはなにも始まらないくらいの必須アイテム。
スタジオバーズはナレーターのためのボイスサンプル専門スタジオです。
その中で「何をするんだろう?」と質問が多いのが
ビジネスコースにある【カウンセリング】です。
今回はその【カウンセリング】についてお話ししてみたいと思います。
初めて「ボイスサンプルを収録してみよう」と思ったとき。
きっと何から手を付けていいか分からないという状態なのではないでしょうか。
すでに事務所に入っていて、なんとなく数枚のボイスサンプルを作ってみた人も同じ感覚かもしれません。
自分の頭で売れることを考えて創った経験のある人以外は、なかなか全体イメージが見えてこないからなのです。
導きだすための手助け
カウンセリングはあなたがどんな風に売れていきたいのか、またはどんな風に在りたいのか、それらを導きだすための手助けをします。
売れていくための個々のイメージ、そしてゴールは百人いれば百通りあります。
「遠回りせずにすぐ売れたい」
「自分の個性を見つけて欲しい」
「ナレーターとして売れるかどうか」
「どんなものがわたしに向いてるか」
「ゴールデン番組を狙いたい」
それぞれ答えが簡単に手に入るワケではありません。
全てのナレーターの夢は「やりたい表現で売れていくこと」でしょう。
同様にそれですぐに成功することは極めてまれなケースです。
もちろん芸能には宝くじがあるので、まれであっても絶対ないとはいえませんが。
実は「やりたい表現で売れていくことは」かなりの実力があってすでにある程度売れている人に通用する手法なのです。
魔法ではありません。
バーズの【カウンセリング】ではどうやったらその理想に近づけるかを考えていきます。
残念ですが、その実力や戦略がない人に「いますぐ売れるサンプル」を創る魔法ではありません。ご注意下さい。
「仕事に近づくサンプルを創りたい」
もちろんそれがバーズの目標でもあります。
しかしそれは容易に解ける方程式ではありません。
売れたナレーターのサンプルと同じ内容で同じように喋れても、売れるワケではないのです。
SMAPと同じ曲を同じように歌っても売れるワケではないのと一緒です。
売れるには工夫や仕掛けが必要なのです。
「売る、買うという心理」は、単純だけど奥の深い戦略の組み合わせなのです。
【1】『売れるための』サンプル創り。
まず「良いものを創れば売れるはず」と考えていませんか?
ことはそんなに単純ではないのです。
どんなに高級なスポーツカーであっても、小さな子供のいるファミリーではあまり需要がありません。ターゲットに適切なサンプルでなければ売れないのです。
A・イメージ
「どんな番組に」「誰に届け」「どう選ばれるか」のイメージを明確にしていきます。
もちろん最初から完璧に計画しろということではありません。全く考えたこともなく、ガクゼンとする人も少なくありません。
「どんな番組がヒットしていて」「どんなナレーターがライバルか」をリサーチしてみましょう。
これは売っていく、売れていくためには大切なことなのです。
このリサーチの過程で少しづつ意識が変わってきます。
B・「自分の強みと弱み」を捉えていること
読みの良し悪し、向き不向きは、収録時にある程度の取捨選択はします。ですファそれに満足してはいけません。
事前に自分の”売り”を把握しておくべきでしょう。自分で自分を知ることは難しいことです。でもそれはプレーヤーの本質にかかわる事柄なのです。
信頼できる知人や事務所、スクールで客観的に指摘してもらい、それをきちんと受け止めておくことです。
それが出来ていない方は、次の【やりたい表現】をやっておくことが助けになります。
【2】『やりたい表現』のサンプル創り。
これの目標は自分の強みと弱みを知ることです。すなわち個性でもあります。
「実はこれが得意なんだけど」
「あんな読みを試してみたかった」
「あの番組の読みはわたしにもできそう」
そんな思いを形にしましょう。
形にして聴いてもらえば、客観的に自分の強みと弱みが見えてくるでしょう。
また自分の中にあるモヤモヤしたものを出し切ることで、表現者としてクリアに見えて来るものがあるはずです。プロで活躍されている人にも必要なことです。
また自分で弱みと感じていること(例えばフリーであることなど)です。実はそれは表裏一体で「強みでもある」のです。それに気づいて変えていける機会になるかもしれません。
パーソナリティが垣間見える”何か”
【バーズのカウンセリング】はいまのTVナレーションに最も近い場所から、あなたのチョイスを導きだし、的確なアドバイスをすることができます。
そしてあなたのパーソナリティが垣間見える”何か”をサンプルに入れていきます。
それはエスプリであったり柔らかな人柄、いたずら心、ちょっとした毒かもしれません。
プレーヤーとしてのあなたの血をこめるのです。そうして初めて、人の心を動かすサンプルができあがるのです。
さあ勇気をもってスタジオバーズでサンプルを創造してみてください。